ハレとケ
日本の文化を育んできた土壌には「ハレとケ」という考え方があります。結婚式をはじめとした冠婚葬祭は「ハレ」。服装も食べるものも普段とは異なる、華やかな日です。
いっぽう、日常生活は「ケ」。服も食べものも飾らない、普段の生活です。農作業の日々があって収穫祭があるように、日本人は「ハレ」と「ケ」を繰り返しながら暮らしてきました。
自分だけの特別な
「ケ」を再発見する日
普段、休みができるとお金をかけ、華やかなイベントや旅行などの予定をいれ、あえて忙しく過ごしていませんか。これまで旅行はハレであり、物見遊山や豪華な食事など、お金をかけ日常から離れることが贅沢であると捉えられてきました。
ヤマウラステイを開業するにあたり、私たちは、丁寧で上質な「ケ」を過ごすことこそが、一番の贅沢であると考えました。
季節や自然と共に暮らしている人は、季節に合わせ食材を野で選び、収穫を楽しみ、時節の変化を楽しんでいます。一見、地味で質素に思えますが、それはお金を出せば買えるものではなく、「ケ」の日々の中にある、小さな行動の積み重ねで手にできる生活の喜びです。こうした喜びは、都会の生活で感じることは難しく、この地域の人々の日常を通して感じられるものです。
これまで単調な日常の繰り返しだと思われていた「ケ」を、ヤマウラステイで特別な「ケ」の日に変えてみませんか?
一万年前から
自然と寄り添いながら
生き抜いてきた
山浦という地
ヤマウラステイがある集落は、地元では山浦と呼ばれてきました。山浦という字のとおり、山に接した地であることを意味し、遠く1万年前の縄文時代から山の恵みを糧に生きてきた場所です。冷たい山の水を陽に当て温めたり、冬の寒さを利用して、今で言うフリーズドライや漬物といった保存食文化を発展させたりして、工夫をしながら生きてきました。こうした厳しい環境を生き抜くための文化が、今も人々の知恵として残されています。
自然と共存する
山浦の暮らし
「山浦」では今も人々が自然に寄り添い暮らしています。冬の凍てつくような寒さを肌で感じ、雪解けの春を喜び、田畑からの収穫や山の恵みを味わう。そうした昔からの農村文化が今も息づいています。日本の多くの地域が失った、五感で日々を感じながら暮らす生活が、ここには残されています。
人々の
生活のなかへ
ヤマウラステイは、「山浦」の集落で暮らすように過ごす旅です。ここでは爺(じ)っさ、婆(ば)っさが朝早くから農作業をし、道で出会えば気軽に挨拶をかわす、とても穏やかな暮らしをしています。そんな集落に建つ古民家で、虫や蛙の声に耳をすまし、静かな時間を過ごしてもいいでしょう。「山浦」の人々に集落を案内してもらったり、一緒に料理をしたりして、「山浦」の日常に入り込むこともできます。そうした時間のなかで、初めてなのに懐かしい、「山浦」の暮らしと営みに触れるのがヤマウラステイなのです。